今は幼児向けの通信教育がたくさんありますね。その代名詞と言える「こどもチャレンジ」や、中高生で利用される方が多い「Z会」など通信教育の選択肢は多くあります。
幼児向けの通信教育でよく聞くのがいわゆる"先取り学習"という言葉。これは一学年ないし二学年先の教材を取り寄せて学習させることを言います。
子どもによっては確かにその学年の教材だと物足りないという子もいるかと思いますが、果たして本当に意味があるのか、または子供にとって良いことなのか判断に悩むところですよね。
そこでここでは幼児向け通信教育の"先取り学習"をすべきかどうか、実際の通信教育を具体例にして考えていきたいと思います。
こどもチャレンジとZ会は先取り学習は可能か?
まず、こどもチャレンジについては、先取り可能です。公式ページを見る限りでも、「どの学年を受講しても構わない」というスタンスなようです。ただし、先取りの受講申込はインターネットからは出来ず、電話対応のみとなっているので注意が必要です。
また、あくまでもこどもチャレンジの公式サイトとしては「お子様の年齢に合った教材をお届けします」という見解ですので、率先して先取り学習を勧めているわけではなく、そのため資料の取り寄せなども電話かメールでしか出来なくなっています。
次にZ会の幼児コースですが、こちらも一応先取り学習は可能です。ただし、こどもチャレンジ以上に先取りには消極的で、どちらかと言えば推奨はしていません。
そもそもキャッチコピーが「あと伸び力を今身に付ける」ということなので、早い内から先の勉強をどんどん詰め込むというのはZ会のポリシーに反していると言えます。
もし、先取りしたい場合は、直接電話で連絡し、先取りしたい旨を伝えると個別にオペレータの方が説明を行ってくれるようです。その中で注意点として、「一度受講した講座を再度受講する事はできない」という説明をされます。
つまり、一度先取りをすると、本来の学年に戻す間に空白期間が発生してしまうということです。ただしZ会では、資料請求自体は年少・年中・年長の3学年コース同時に行え、さらに小中学生・高校生コースも資料請求可能となっています。
子どもの年齢に関わらず、先の学年のコースまで資料請求出来るのはこどもチャレンジと違って便利なところです。
子供チャレンジとZ会の2つの通信教育講座を引き合いに出しましたが、結論としてはどちらも先取りは推奨していないということです。では何故先取りを推奨しないのか?次にそれを考えていきます。
先取り学習のメリットや注意点とは?
まず、親御さんが何故先取りをさせたいかという理由を考えると、「その学年の教材では簡単すぎてあまりやらせる意味がない」、「他の子よりも先の勉強をさせることで将来的に学校の勉強で苦労させたくない」、「将来レベルの高い学校に通わせるためには人並みの勉強では足りないから」と言ったことでしょう。
確かに幼稚園ぐらいのお子様の能力は本当に人それぞれですし、早生まれかそうでないかによってもだいぶ変わってきます。実際に3月生まれの子と4月生まれの子ではほぼ一学年分の差があり、幼児の数カ月は大人で言えば数年の違いがあると言っても過言ではありません。
4月・5月生まれの子に一学年先の教材を勉強させるのであれば、まだ意味はあるかも知れませんが、早生まれの子にそれを強いるのは酷なことでしょう。
幼少期の子どもは基本的に「褒めて伸ばして自信を持たせる」ことが大切であり、本来の能力に見合わないレベルの勉強をさせれば、当然勉強嫌いになる可能性が高いと思います。
それよりも今は「頑張ったら出来た!」という成功体験を重ねさせることが、本当の意味での教育になるのではと私は考えます。
ただ、先取り学習をさせる意味がある子も中にはいることは確かだと思います。
先にも述べたように、4月・5月生まれの子であれば成長も早く、一学年先の勉強にもついて行けるかもしれません。また、二人目・三人目でお兄ちゃん・お姉ちゃんがいる子は何でも覚えが早い傾向にあるので、先取りをさせてもメリットがあるかもしれません。特にお兄ちゃん・お姉ちゃんも通信教育をしているようであれば、使っていた教材もそのまま使用できると思いますので経済的でもあります。
あとはもちろん子どもの成長や性格は一人ひとり違うものですし、お子様本人が今の教材では物足りない…もっと難しい勉強をしたい!と思うようであれば、それをさせない理由はないと思います。
まとめ
やはり何よりも大事なことは子どもの意思を尊重するということだと思います。いくら親が期待をかけて難しい勉強をさせようとしても、それで子ども自身が嫌な気持ちになったり、勉強を嫌いになったりしてしまってはそれこそ本末転倒です。
その時はその難しい問題が出来たとしても、将来的にそれがその子の能力を伸ばすことに繋がるかどうかは疑問です。
幼稚園くらいの子どもは吸収力が本当に凄いですが、その分、悪い記憶も残ってしまいますので、しっかりとお子さんと話し合って先取りをするかどうか決めてくださいね。