子供が食物アレルギーかなと思ったら、まずは病院で検査を受けて、原因物質がわかったらその物質を除去する食事をして対策をします。
しかし、特定の食品を除去していると栄養バランスが崩れる心配があります。子供は成長するためにさまざまな栄養を必要としていて、この時期にしっかりバランスよく栄養を摂ることが大切です。
では子供が食物アレルギーの場合、栄養バランスが崩れないようにどのような対策をしたらよいのでしょうか。
食品のアレルギー別に対策を紹介していきますね。
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鶏卵にアレルギーがある場合
鶏卵にアレルギーがある場合、不足する栄養素はタンパク質です。
人間の体は水分を除くと次に多い構成成分がタンパク質です。成人男性の場合は、水分60%、タンパク質18%、脂質16%、無機質等6%が平均的です。乳児や幼児は水分量が成人よりも多く、乳児70%、幼児65%ほどとなっています。
筋肉、髪、爪、骨、皮膚、内臓などはタンパク質からできています。
人間には体内で合成できない必須アミノ酸が9種類あり、これらは毎日の食事から摂取する必要があります。
鶏卵はアミノ酸バランスに優れたタンパク質源ですが、他にもアミノ酸バランスに優れたタンパク質を多く含む食品はあります。
タンパク質の供給源となる代替食品は、魚、肉、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品です。これらを毎日の食事で上手に組み合わせてみましょう。
なお鶏卵アレルギーは白身だけ食べられないこどもや黄身だけが食べられない子、両方食べられない子がいるので病院できちんと検査して見分けてもらってくださいね。
※鶏卵アレルギーは「うずらの卵」も同様です。ただし鶏とうずら以外の卵は食べることができます。
牛乳にアレルギーがある場合
牛乳にアレルギーがある場合、不足が心配される栄養素はカルシウムです。牛乳コップ1杯には220mgほどのカルシウムが含まれています。
子供は身長が伸びる時期で、この時期にはカルシウムを多く必要としています。また、骨粗しょう症の予防のためにもカルシウムが必要です。
カルシウムの供給源となる代替食品は、大豆、大豆製品、小魚、海藻、青菜、ごまなどです。
丸ごと食べられる小魚はカルシウムを多く含んでいます。ししゃも、しらす干し、煮干しなどがカルシウムの多い魚です。干しエビもカルシウムが多いので、サラダのトッピングやふりかけなどにして摂取するとよいでしょう。
青菜ではモロヘイヤ、小松菜、かぶ葉などに多く含まれています。
ごまは小さな粒ですが、100gあたり1200mgのカルシウムを含んでいます。そのままでは硬い殻で消化が悪いのですりごまにして摂取するとよいでしょう。
カルシウムはビタミンDによって吸収率が高まります。ビタミンDを多く含む食品は、魚、干しシイタケ、きくらげなどです。魚では、あんこうのきもやしらす干しに多く含まれています。
小麦にアレルギーがある場合
小麦は主に炭水化物を含む食品です。
炭水化物は体のエネルギー源になる栄養素です。運動量が多い子供は炭水化物の摂取量を意識してあげましょう。
炭水化物を多く含む代替食品は、ご飯、雑穀、米粉、芋などです。
雑穀とは、あわ、ひえ、キヌアなど、米や麦以外の穀物のことです。精白した米よりもビタミン、ミネラル、食物繊維などを多く含んでいて、カルシウムの供給源にもなります。
小麦アレルギーの方のために米粉を使った製品が登場するようになりました。米粉を使ったパンや麺類などがあるので、パスタやパンなどを食べたいときには、米粉で作られた製品を試してみてください。ただし、米粉に小麦が
まぜられている製品があるので原料を確認しましょう。
芋類にはジャガイモやサツマイモなどがあります。芋類は食物繊維やミネラルなどを含んでいます。
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食物アレルギーは成長すると食べられるようになる?
食物アレルギーの反応が出てしまうと、その食べ物はずっと食べることができないのでしょうか?
それについてはその子供のアレルギーの度合いなどにもよってかわってきますが、成長によって自然とアレルギーがなくなるケースも少なくありません。
小学校に入ると給食が始まるので、それまでに何とか食べられるようにさせてあげたいですよね?
食物アレルギーについてはまずは近所の病院で診てもらいましょう。その後対応の必要があれば総合病院への紹介状を書いてもらえますので、総合病院で専門の方と相談することができますよ。
食物アレルギーの対策まとめ
食物アレルギーの場合は原因となる食物を除去しますが、除去することによって栄養のバランスが崩れる心配があります。成長期の子供はさまざまな栄養素を大人よりも多く必要としています。子供の成長や健康のために、上手に代替食品を活用して栄養のバランスに気をつけてあげましょう。